”こけし”の呼び名
こけしという言葉はいまでこそその始まりからついていたように思われていますが、この名は比較的新しくできたものです。もともとこけしが子供の玩具であった時代はコゲス、ボコ、コゲスボコ、デゴ、キナキナの5種類の呼び方を基本としてさらに各地方で様々な方言で呼ばれていました。その後コケシボウコ、こけし這子などと呼ばれるようになり、昭和15年に“こけし”の呼称に統一されました。
”こけし”の意味
ではこけしとはどのような意味なのでしょうか。これも諸説ありますが、いくつか挙げてみましょう。「こけしの“こ”は木の意味があり、“け”は削ぐにつうずるので、木を削ってつくるという意味になる。“し”は子を表し、子供を意味するものである。したがって木を削った子供ということである」(北岡仙吉)、「こけしはこげしという呼び名が正しく、“こげ”は“木削”、“し”は“子”で木を削ってつくった“オボコ”である」(山中登)、「鳴子ではこけしは木で作られた人形の意味があると伝えられ、仙台でいうきんぼこも木のぼっこ、木のおぼこ、乃ち木の人形と解釈できる」(天江富弥)、といずれにしても、木を削って作られたこどもの人形という意味なのではないかと考えられています。