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ろくろの歴史

こけしを生み出す木工ろくろの歴史にたどってみれば、弥生時代の遺跡からもろくろ挽きの円形木器が出土しています。また、法隆寺に伝えられているお経を納める百万小塔と呼ばれる塔はきわめて高度な技能で作られ、仏教伝来とともに古代朝鮮半島からの渡ってきた技能者集団が重要な役割を果たしていたと考えられています。

木地師の出現

近世には、良質の原木を求め森林地帯を渡り歩いてろくろ挽きをして食器などを作る木地師と呼ばれる集団が徳川時代の初期に現れ、質のよい用材を求めて明治には全国的に分布するようになりました。この木地師の集団は、文徳天皇の第一皇子惟喬親王を業祖と仰ぐ伝承を持ち、その始まりは滋賀県の君が畑、蛭谷の村々としています。

こけしの源流

こうした長い歴史をもつ木地師たちの仏具や生活用具生産の暮らしの中から、親が子に、あるいは子を持つ親に、求められ自然に生まれた人形があったのではないかと考えると、その流れの末にあるこけしの持つ温もりにうなずけるのではないでしょうか。